もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです


 ラベーラの視線はシエルから一瞬もそらさらない。

「やましいことがないのなら、その子を人前に出しても問題ないでしょう? 彼女がなんなのか、皆の前で説明してはいかが?」

 勝ちを確信している言葉だったが、グランツにはシエルから聞いた真実という武器がある。

「では、そこで聖女の魔法を披露しましょうか。本物の聖女がどちらなのかを、皆に知ってもらういい機会になるでしょう」

 グランツがそう言った瞬間、ラベーラの顔から表情が抜け落ちた。

「おまえ、なぜそれを」

 言いかけてからすぐにラベーラは顔をしかめ、シエルを睨みつける。

「この私を裏切ったのね。あんなにかわいがってやったのに」