もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「ここで待っていろ、と指示された通りにしているのだからいいだろう。警戒を怠っているわけではないしな」

 グランツは頭ひとつ分以上小さなシエルを見下ろし、微笑する。

「それに、君の気を紛らわせないと倒れてしまいそうだ」

「え?」

「いつもより顔色が悪い。王女殿下のことを考えて、心が疲弊しているのだろう」

 シエルも意識していなかったことを、グランツはやすやすと見抜いてしまう。