もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 そう言うとグランツは思い至った様子で立ち上がり、きょとんとしているシエルに手を差し出した。

「王女殿下が来るまで、どうせ時間がある。俺と踊ってくれないか?」

 アルドが聞いたら、そっけない誘い文句にだめ出しをしていただろう。

 しかしシエルは気にしないどころか、グランツの申し出を心から喜んだ

「はい! ……でも私、踊れません」

「俺も苦手だ」

 シエルが笑ったグランツの手を取ると、思いがけず強い力で引っ張られた。

 決して広いとはいえない四阿で、二人は身体を密着させて音楽もないのに身体を揺らす。

「殿下に怒られてしまうでしょうか。大事な計画の最中だというのに」