もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 グランツの話に楽しさを覚え、自然と笑えるようになった。彼と会えない間に寂しさと悲しさを知り、胸を締め付けられる強い感情に心を揺さぶられた。彼を傷つけるラベーラに強い怒りを感じ、今はグランツの恋人になれたことを喜んでいる。

(私はずっと、両親やラベーラ様のために存在する人形だった。だけどもう違う)

 シエルはグランツの肩に寄り掛かった。

「まだ戸惑いはあるのです。どうすればいいのか、なにをしてもいいのか、自分で考えたことがなかったので、グランツ様に促されると困ります。……流されて人の言いなりになるばかりの私を、よく見捨てずにいてくださいましたね。ありがとうございます」