もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「社交界でグランツ様とお会いしていたかもしれませんよ。そうしたらまた、すぐに求婚してくださいますか?」

「どうだろう。俺が君を好きになったのは、他者を慈しむ優しい心を知ったからだ。社交界で誰かが怪我を負って、それを助けたら求婚するんじゃないか」

 グランツが言うと、シエルは少しつらそうな顔をする。

「誰かが怪我をしなければ、グランツ様とお近づきになれないのですね」

「……君はまだ見ぬ誰かに対しても優しさを見せるんだな」

 シエルの肩にグランツの手が添えられ、彼女を優しく引き寄せる。