もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「はい」

 即答すると、アルドがにやりと笑う。

「だそうぞ、グランツ。よかったな」

「……お前にだけは会わせるべきじゃなかった。おもちゃかなにかだと思っているだろう」

 思い切り楽しんでいるアルドに向かって言うと、グランツは額に手を当てて息を吐いた。

「まさか。お前の言う通りかわいらしい人だし、仲良くしていきたいと思っているさ。魔女と呼ぶのもやめよう。シエルと呼んでもいいか?」

「はい、構いません。グランツ様がつけてくださった名前なのです。私とともにいる魔獣のイルシャとミュンも……」

 かつて名がなく、『あれ』と呼ばれることを当然だと思っていたシエルだが、今は違う。