もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 いまいち理解が追い付かなかったシエルは、質問せずに黙って口を閉ざしていた。

 ここまでのアルドとグランツのやり取りを見て、なんとなく思ったことがある。

(グランツ様は、私以外の前だとちょっと雰囲気が違うのね)

 主君のアルドのほうが付き合いが長いと知っていても、なんとなくもやもやした気持ちになって、グランツの服の裾を掴む。

(私もグランツ様が好きだもの)

 シエルの初めての嫉妬を男二人が知るよしもなく、やっとアルドが背筋を正して話し始めた。

「ずいぶんと脱線したが、話をまとめよう」

 アルドはシエルにもわかりやすく、グランツの身になにが起きたのかを説明した。