もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「言えるか。本当に誘惑の魔法にかかっていたら、どうしようもない。だから俺が見極めねばと思っていたのに……。なんで俺の前でいちゃつくくせに、まだベッドに誘っていないんだ?」

「アルド!」

 シエルが飛び上がるほどの勢いで怒鳴ったグランツは、咄嗟に彼女の耳を手で押さえた。

「品のない話を聞かせるな!」

「誰も聞けないだろうから、代わりに聞いてやったんだ。むしろお前は手が早いほうだと思っていたんだぞ。戦場では誰よりも早く先陣を切るくせに、女性が相手だと防戦一方になるのか?」

「それ以上続けるなら、シエルを連れて帰るからな」

「わかったわかった。真面目な話をすればいいんだろう」