もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「いやはや、俺も多くの女性と関わってきたが、こんな人と出会うのは初めてだ。天然というか、なんというか……変わっているな。道理でグランツが手玉に取られるわけだ。これは俺でもどう主導権を握ればいいかわからない。……試してみたくなるな」

「冗談だと信じているぞ」

 グランツは溜息交じりに言うと、不安げなシエルの頭を撫でた。

 シエルの表情が安堵に緩む。

「俺もいろいろと例の暗殺計画について考えたんだが、お前のかわいい恋人が犯人という説は消してよさそうだな」

「そんなことを考えていたのか? ひと言も言わなかっただろう」