もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 しかしアルドは彼女に向かって、気にしないとでもいうように手を振った。

「警戒心が強い割には簡単に流されてくれる。おかげで君を城に呼ぶのも楽だったと聞いた。魔獣はかなりごねたそうだが」

「……イルシャは私を守ろうとしてくれただけなのです」

 迎えが来た時、イルシャは見知らぬ者たちを激しく拒んだ。

 放っておけば使者を食い殺しかねない勢いだったが、シエルがそれを止めたのだ。

 ミュンとともに待っていてほしいと伝え、シエルだけが城に赴いて今に至る。

「カセル騎士団はグランツ様とお知り合いでしょう。ですから、傷つけてはならないと思って……」