もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 セニルースは国王が絶対的な権力を持っているが、真の権力者は父親から溺愛され、全権を行使できるラベーラだった。

「そうよ、その通り。あなたは私に恩がある。そうよね? 見世物扱いされていたあなたに役目をあげたんだもの。それに私たち、親友でしょう?」

「はい」

 聖女ラベーラの影として過ごした十年間、繰り返された言葉だ。すっかり耳に焼き付いている。

(親友だと思ってくれているから、処刑ではなく追放に留めてくださった)

 彼女は、ラベーラ次第では本当に処刑されかねない事態だったと理解していた。