もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「ここへ連れてこられて、身体を洗われたんです。人にあんな場所を触られたのは初めてでした」

 自分の衝撃を素直に口に出したシエルだったが、内容が内容だけにグランツの顔がさらに赤く色づく。

 用意させた紅茶を飲もうとしたアルドも、危うく噴き出しかけた。

「詳細は言わなくてもいい。少なくとも今は。……知らない人ばかりで怖かっただろう。もう大丈夫だ」

「はい」

 ようやく落ち着いたらしく、シエルはおとなしくうなずいた。

まだ頬が濡れているのを見て、グランツがきれいに拭う。

「人前でそう泣くものではない。貴女の泣き顔は可憐すぎる」