もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「はい、存じております。……あの、グランツ様はご無事でしょうか?」

「……無事? あいつになにが起きたのかを知っているのか?」

「いえ、なにも」

 答えてから、シエルは泣きそうな顔になる。

「なにか起きたのですね……」

 アルドはシエルの表情をじっと見て、少しだけ目を細めた。

「あの男は俺を殺そうとして、自宅に蟄居中だ」

「そんな!」

 思わず立ち上がったシエルが、自分の口を手で押さえる。

「グランツ様は人を殺そうとするような方ではありません。なにかの間違いです!」

 蒼白になったシエルを見ても、アルドは表情を変えない。

「まあ、座ってくれ」