もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 なぜか干した果物がたっぷり入ったパンを与えられたシエルは、よくわからないままお腹を満たし、今度は彼女の爪を磨き始めたメイドたちに恐る恐る質問した。

「どうして私、こんなことになっているのでしょう?」

「ええ? 私たちも知りませんよ?」

 シエルと同じくらい、メイドたちもきょとんとした顔になる。

「ただね、カセル騎士団の副団長様が連れてきた方だっていうから」

「見られるようにしてくれって頼まれたのよね」

「殿下にお目通りするんでしょ? つまりそういうお方なのよ、この人は」

「ああ、そういう?」

 質問したにもかかわらず、シエルの疑問はなにも解決しない。

(殿下……)