もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「ここまで細いとコルセットいらずだわ」

「なにか食べるものを持ってきてあげたら?」

 シエルは立っているだけでよかった。

 きれいに水気を拭われ、身体にぴったり合う下着をつけられ、今までに触れたことのない気持ちのいい手触りのドレスに包まれた。

 薄青い絹のドレスは、シエルの繊細な雰囲気によく似合っており、メイドたちをがぜんやる気にさせた。

 彼女が今まで着ていた服は、すり切れた布きれを身に着けていた彼女を憐れんでグランツが用意したものだったが、丈夫で汚れが目立ちにくいことだけが利点で、実用的すぎた。彼が女性への贈り物に慣れていないことがよくわかる代物である。