もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 生まれてからずっと水で流すだけだった髪が、石鹸で丁寧に磨かれ、うっとりするような香りの油をすりこまれて艶を生む。

 そうするとシエルの髪は暖炉の灰をかぶせたような鼠色から、新雪さえも羨むような美しい銀髪に変化した。

蒼氷の瞳と合わさって、どこか浮世離れしたシエルが神秘的な美しさを湛えた少女へと変化する。

「なんて素晴らしい銀髪なの」

「まるで氷の精霊みたいね」

「どうしてこんな方が騎士団に?」

「どこかで拾ってきたのかしら……?」

 メイドたちはトーレイが連れてきた謎の美少女に興味津々だったが、シエルはいつまで経っても肩の力を抜けず怖がっていた。