もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

グランツが真っ先に思い浮かべたのはそれだった。

「と、俺は思っている。最初から死ぬつもりで王子暗殺の依頼を受ける馬鹿はいないはずだ。奴らは自分以外の人間に、逃げるための準備を用意させて仕事にあたった。……生き残ったひとりも、仲間が死んだと知っていたら薬の服用をためらったかもしれない」

「つまり、だ。おそらくはリンデンの人間ではない者が、俺を貶めるために刺客を雇い、そいつらのことも口封じに殺したと?」

「たぶんな。今まで俺を殺そうとしてきた奴らとは、空気が違っていたし」

 さらりと語るようなことではないが、これでもアルドは何度か死線をくぐっている。

「そうなのか」