もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 そう思っていたグランツのもとに、フードで顔を隠した男がやってくる。

 牢獄に入るなり、男は──アルドはフードを取り払った。目が覚めるような鮮やかな金髪が、光を弾きながら散る。

「長身のお前には狭そうな部屋だな」

 開口一番に言ったアルドは、にやりと笑ってベッドに腰を下ろした。

「どうだ、牢獄暮らしは?」

「思っていたよりも悪くない。食事も素晴らしいしな。なにせ、温かいスープがついている」

 自身をここへ捕らえたきっかけだと知りながら、グランツは軽口を返した。

「それのなにがそんなにいいんだ」

「野営で温かい汁ものを食べる余裕はないだろう?」