もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 城へ来た時はまだ陽が高かったのに、いつの間にか暗くなり始めているのがわかる。

(シエルは大丈夫だろうか?)

 騎士団も家も、信頼できる人物に自身の状況を伝えるよう頼んである。彼らはグランツが不在の間も、やるべきことをこなしてくれるだろう。グランツが戻ってきた後も問題ないよう、居場所を守ってくれるはずだ。

 しかしシエルは違う。彼女はたったひとりで、連絡手段を持たない。

(明日、会いに行こうと思っていたんだがな……)