もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 しかもグランツはラベーラがリンデンにいる間、ずっとアルドを優先し続けた。

彼の主人の婚約者なのだから、アルドと同じように扱われるのだろうと思っていたが、彼はラベーラの前で頭を下げこそすれ、膝をつくことは一度もなかったのだ。

遠回しに指摘すると、グランツは生意気にも言い訳を口にした。

『不快な思いをさせておりましたら、申し訳ございません。私の主君はアルド様ただひとりであり、王女殿下に同じ忠誠を誓うことはできかねます』

 さらに彼はこうも言った。

『あらぬ噂を立てられかねませんので、私ひとりを殿下の部屋へ呼び出すのはおやめください。ほかの者のいる場であれば、召喚にお応えいたします』