もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 今までだって、雨を降らせようとか、魔獣を打ち払う光で城下町を包もうとか、遠征に向かった騎士団の傷をひとつ残らず快癒させ、失った手足を生やそうとか、意識してやったわけではない。

 ラベーラが聖女としての名を高めるために必要なことだから、と願ったから叶えただけ。自分がそれを可能とする理由も、方法も理解していない。

 彼女はラベーラが広場の中心に立ち、人々の注目を浴びながら耳に心地よい演説をするところをこっそりと見ていた。

 事前に伝えられていた合図の通りに魔力を呼び起こし、ラベーラが希望した聖獣を発現させようとしたのだが。

「きゃああっ!」