もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「いや、責められて当然のことをしてしまった。すまない、貴女にも大変な思いをさせたな」

 シエルは首を左右に振ろうとしたが、それさえ億劫で息を吐くだけにとどめた。

「少し疲れただけです。休めば治ります」

「……本当に申し訳ない。私が未熟だったばかりに」

 膝をついたまま、グランツはシエルに向かって頭を下げる。

「なにが『守る』だ。危ないところだったばかりか、助けられるとは。……勝手に貴女を弱いと決めつけて、思い上がっていた。貴女のほうが私よりもずっと強い力を持っているというのにな」

 それを聞いたシエルは、自身の胸がちくりと痛んだのを感じた。