もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「すみません、少しだけ……。お怪我はありませんか?」

「ああ、貴女のおかげで私もイルシャも無事だ」

 抱きしめられたせいでうろたえつつも、グランツは彼女の身体を横抱きにした。

そしてそばの木の陰に下ろし、肩で息をしているシエルの背中を落ち着かせるように撫でる。

 イルシャもまとわりつくミュンの相手をしながら、心配した様子でシエルの傍らに座った。

「もう大丈夫でしょうか? 敵はいませんか?」

「そうだな、ひとまずは。イルシャが気づいてくれなければ、反応が遅れていた。煤の森で気を抜くべきではなかったのに、私のせいだ」

「グランツ様はなにも悪くありません」