もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 彼女の身体から生じた光の粒が、敵である猿たちに激しく降り注いだ。雨のような攻撃は猿の身体を穿ち、血を流す暇も与えず蒸発させる。

「なっ……!」

 今までに見たことのない魔法の力を感じ、グランツは守るべき存在だったはずのシエルを振り返った。

「私の大切な人たちを傷つけないで──!」

 シエルが叫ぶと、彼女を中心に生まれた光の柱が大気を轟かせながら広がった。

 巻き上げられた泉の水が宙を舞い、ぱらぱらと彼らの頬を打って地面に染み込んでいく。

 やがて光の奔流が収まると、そこには焼け焦げた猿たちがもの言わぬ躯となって転がっていた。

「あ……」