もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 実力で騎士団長の座に上り詰めただけあって、グランツの動きは洗練されていた。数が多くなったことで逆に隙が多くなったのか、一匹また一匹と猿が屠られていく。

 イルシャも前足で猿を弾き飛ばし、頭を噛み砕いて敵を処理していった。

 だが、複数の敵を連携の取れていないひとり一匹で相手するのは難しく、グランツの背にイルシャがぶつかってしまったり、イルシャの鼻先をグランツの剣がかすめたりと、際どい瞬間が幾度も重なった。

 シエルは危険な場面があるたびに目を閉じ、ミュンが離れてしまわないよう必死に腕に力を込めた。