「初めて戦場に出てから、私はずっと戦いの中で生きてきた。守るべきものを守るために多くの敵を屠ってきたことを後悔はしていないが、ときどき夢でも戦場に立っている時がある」
シエルの視線に気づき、彼女のほうを向いたグランツの顔に一瞬苦いものが混ざった。
「なかなか貴女に触れられなかったのも、それが理由のひとつでな。女性に気安く触れるべきではないというのもあったのだが……」
グランツが自身の手を見つめ、こぶしを握る。
「人を斬る感触に慣れ、血の臭いが染みついた手で触れていいのかわからなかった。貴女がきれいな人だと知れば知るほど、触れてはいけない気がして」
シエルの視線に気づき、彼女のほうを向いたグランツの顔に一瞬苦いものが混ざった。
「なかなか貴女に触れられなかったのも、それが理由のひとつでな。女性に気安く触れるべきではないというのもあったのだが……」
グランツが自身の手を見つめ、こぶしを握る。
「人を斬る感触に慣れ、血の臭いが染みついた手で触れていいのかわからなかった。貴女がきれいな人だと知れば知るほど、触れてはいけない気がして」

