「なぜ人は服を着るのだと思う? 暑さや寒さから身を守るためだけではなく、肌を見せないためだ。貴女はとてもきれいな人だから、悪人がよからぬことを考えてしまうかもしれない」
シエルはおとなしくうなずいた。そして、戸惑った表情を浮かべ、つまんだままのワンピースに視線を向ける。
「グランツ様にはご迷惑をおかけしてばかりですね。申し訳ございません」
「貴女が悪いわけではない。疎いところがあるのなら、これから学んでいけばいいだけだ。……私も耐えよう」
「なにを耐える必要があるのか、伺ってもよろしいでしょうか?」
「私も貴女に関しては悪人になる可能性があるということだな」

