もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「冷たくて気持ちいいですね」

「そうだな。暑さをしのぐにはちょうどよさそうだ」

幾分、冷静さを取り戻したグランツが言う。

少し考えたのち、シエルは立ち上がってワンピースの裾を膝までまくった。そのまま泉の中に足を踏み入れ、ひんやりした心地よさを存分に味わう。

「ミュンも飛び込みたくなるわけです。とっても涼しいですよ」

「気安く肌を見せるんじゃない……!」

グランツは彼女がワンピースの裾に手をかけた辺りで、素早く背を向けていた。その判断は彼にとって正しかったのは説明するまでもない。

一方、急に大きな声で叱られたシエルは、水に足をつけたまま驚いて立ち尽くしてしまった。