もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 ずっと警戒していたシエルが、初めて自分から触れてきたのを思い出し、グランツの胸がぎゅっと締め付けられる。

 シエルに触れられた服にぬくもりが残っている気がして、洗い清めたくないと思ったのは言わないでおいた。

「その方が魔女でなければ、私たちも喜んでお迎えいたしましたのに」

「だから、彼女は魔女ではないんだ」

 わかってほしいという気持ちはありつつも、グランツは自分が伝えるだけでは足りないのだと理解してもいた。

「ですがその女性のせいで、グランツ様が国境から離れる時間が増えました。それが策略によるものではないと、どうして言い切れますか?」