タスローにあるどの屋敷よりも大きく立派で、明らかにほかとは一線を画している。
主人の帰宅にいち早く気づいたのは、昔からノイフェルト家に従う執事だった。
「お帰りなさいませ、グランツ様」
「ああ、ただいま。ミディイルを頼む」
「かしこまりました」
グランツは外套を執事に渡すと、屋敷に入り、二階へ続く階段を見上げる。
「ラークはもう寝たのか?」
「いえ、グランツ様のお帰りを待つのだと部屋で──」
執事が答えている間に、屋敷のどこからか勢いよく駆ける足音が響く。
階段から忙しなく駆け下りてきた少年は、グランツを見て顔を輝かせると勢いよくその腕の中に飛び込んだ。

