もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「たしかに煤の森はお前が拠点とするリンデンの西に近い。だが俺は、なぜ魔女の討伐をお前にさせたがったのかが気になっている」

 よかった、とグランツはひそかに思った。

 アルドは婚約者のラベーラの考えを立てはするが、盲目的に愛し、信じているわけではないのだ。

 あくまで国と国を繋ぐための政略結婚。多くの女性を口説き、利用するのと同じように、アルドはラベーラを駒のひとつとして見ているところがある。

 王子らしくない言動の多いアルドだが、自分以外の他人を損得で判断し、利用することをためらわない非情さは王族らしい冷たさを感じさせた。

「俺にさせたがったのか? カセル騎士団ではなく?」