もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 陽が昇る前から日付けが変わるまで休みなく動くせいで、家の者からも騎士団の部下たちからも心配されているが、グランツはそれを苦としていなかった。

 グランツが自分の胸に手を当て、シエルを思い浮かべながら軽くシャツを掴む。

「こんなにも強く、誰かを守りたいと思ったのは初めてだ。俺の力は彼女のためにあるのではないかとすら思う」

「今のは聞かなかったことにしておいてやるからな。リンデンの西を守護するカセル騎士団長が、王国よりも女を優先するなんて、ほかに聞かれたらうるさいに決まっている」

「心配しなくてもお前にしか言わない。……お前だから、言うんだ」