「ごめんね。高森くんも忙しいでしょ?」


「いえいえ。うちのクラスは基本イベント事にやる気がないので、クラスの出し物もパネル展示のみなんです。準備はもう昨日までに終わってしまいましたから」




そっか。そんなクラスもあるんだ。

私たちのクラスは、なっちゃんみたいなやる気のある子たちが中心になった頑張ってくれてるからここまで盛り上がってるんだね。


そんなことを思いながら、私は気になっていた全く別のことを高森くんに尋ねた。




「高森くんって、誰に対しても敬語で話すの?」


「え?ああ、はい。奏多みたいな例外もいますが、基本的には」


「癖?」


「癖……そうですね、今ではもう癖かもしれません。もともとは小学校高学年の頃に意図的に変えたんですけどね」




高森くんは少し迷うように口ごもったものの、結局話し出した。




「僕、自分で言うのもあれですが、昔からかなり勉強ができる方だったんですよ。それで、周囲からは『話しかけづらい』というイメージを持たれがちでした」