「すみません、大丈夫ですか?……って、あ。香田さんじゃないですか」
相手も私のことに気が付いたみたいだ。
「こんにちは高森くん」
「本、重そうですね。少し持ちましょうか」
「ううん、これぐらいよゆ……」
これぐらい余裕。……と本音を言いかけてハッとする。
だめだめ、この量の本はかなり重い部類に入るはず。
「えっと、じゃあお言葉に甘えて」
「ん。了解です」
高森くんはそう言いながら、8割ぐらいの本を私から受け取った。
「重っ、よくここまで持ってこられましたね」と言われたのを、私は笑って誤魔化しつつお礼を言う。
図書館で本を返すミッションを達成して、次はメニュー表のコピー。……と思ったところで、私はこの学校のコピー機の使い方を知らないということに気が付いた。
そのことを高森くんに話すと、彼も印刷室に同行してくれることになった。



