待って待って皆落ち着いて!マイナスイオンって別に健康に良いって証明されてるわけじゃないんじゃなかったっけ?

……いや違う、そもそも私からマイナスイオンは出てません!




「……ははは、照れるけど嬉しいよ、ハスにそう言ってもらえて」




ワンテンポ遅れて、柳沢くんがそう返してきた。


あ、私がいきなり彼女風の発言したから驚いてるな。

顔もちょっと赤くなってるし……ん、あれ、本当に結構赤くなってない?

もしかして、本気で照れてる?


……いや、柳沢くんに限ってそれはないか。照れてる演技をするために、自由自在に赤面できるスキルを身に付けたとかそんなのだろうな、きっと。




「ねえ、そこの葉澄・柳沢カップル!」




教室の端から、そんな私たちを呼ぶなっちゃんの声がした。

手にはメモ帳を持っている。




「二人、文化祭のコスプレ決めた?」


「あ、忘れてた。そっか、なっちゃん衣装係だもんね」