それを聞いて、私は「うへぇ」と顔をしかめる。
「ま、まだやるんデスカ」
もうそんな気力残ってないです。
柳沢くんはそんな私の額をピンとはじいて、少しだけ表情を緩めた。
「さすがに今日は終わり。甘い物あるけど食べる?」
「うん……。あ、マシュマロだ。ふふ、常備してるの?」
「うるさいな。いらないの?」
「いる!食べる!食べさせて」
もう起き上がって自分の手で袋からマシュマロを取り出すという行為すら面倒くさい。
私は顔だけ柳沢くんの方に向けて、あーんと口を開ける。
柳沢くんは一瞬ピタリと硬直した。
でも、すぐに我に返ったように袋からいくつかのマシュマロを取り出して、勢いよく私の口に詰め込んだ。
「むぐが……ほほひほほひ、ひっほふひふふ!」
多い多い、窒息死する!
……という言葉が満足に言えないほど、甘くて柔らかいお菓子で口の中がいっぱいになってしまった。
何故この期に及んで嫌がらせを!



