良く晴れた日曜日の午後。

私は、家族が外出中だという柳沢くん家にいた。


二人きりの部屋の中で、お互いの息遣いや心音まで伝わってしまいそうなぐらい近距離で。

私は頬を火照らせ、少し目を潤ませながら柳沢くんを見た。




「やなざわ、くん……。私っ……」


「ああ、俺も限界だよ、ハス……。っ、だめだ、もう我慢できない」


「やっ!ま、待って!優しくするって約束、だよね……?」




そう確認する私に、柳沢くんは辛そうな表情で首を横に振った。




「ごめん、やっぱその約束は守れない。優しくとか、無理」


「そんな……」




だめ。怖い。

こんなことになるなら、家に来ないかなんて誘い、断ればよかった。

私は薄く目を閉じて、覚悟を決めるしかなかった──。