静かに私たちのやり取りを見ていた高森くんが、また笑い出した。
柳沢くんの肩をポンポンっと叩く。
「クク……奏多、いい加減に認めた方が良いんじゃないか?」
「……」
「ついでに言えば、今の時点では脈は全く無さそうだ」
「っああー!もうわかったよ!」
柳沢くんは、肩に置かれた高森くんの手を振り払って叫ぶ。
それから私の方を睨みつけんばかりの剣幕で見た。
「ハス!」
「はい」
「これからひとまず、俺たちが別れそうって噂を『さらに仲良くなってる』って噂で上書きするからそのつもりで」
「え⁉」
い、いきなりどうしたの⁉
怒ってる……っていうより、何かやる気に満ち溢れてるような。
「あ、そうだ香田さん、せっかくだから連絡先交換しておきませんか」
のんびりとした声でそう提案する高森くんにも、柳沢くんは何故か私に代わってビシッと言う。
「必要ない!」