画面ではある動画が再生されていた。

一目見た瞬間、さっと血の気が引いていく感じがした。



その動画では、制服を着た女子高生が、ガタイのいい大人の男二人をいとも簡単に倒していた。


言うまでもない。昨日、駅前で絡まれていた女の子を助けた時の私だ。




「ふっ……あんまりにも軽々と倒していくから、面白くてつい動画に撮っちゃったよ」


「なっ……!」


「人込みにいたから俺のことには気付いてなかったみたいだね」





全然気が付かなかった。

昨日教室から逃げた後、柳沢くんは本当はその場で口止めするつもりで私のことを追ったらしい。

帰るのなら駅に行くだろうと当たりを付けて、見事私のことを見つけました……と。



「まあ、あの後また見失ったんだけどさ。でも代わりにあんたのこと調べたよ。強豪・第三中女子空手部の主将だったんだって?」


「そんなことまで……」


「おしとやかな『マイナスイオン系女子』だっけ?よく言ったもんだよ。あーあ、驚きすぎて、うっかりしてるとすぐ誰かにしゃべっちゃうかもな~」


「ぜっ……絶対にやめてっ!」