一線?穢す?大人の階段?

なっちゃんの言いたいことが理解できず首をかしげる。




「それどういう意味……むぐ……」




私にもわかる説明をしてもらおうとしたら、会話が聞こえていたらしい通りがかりの柳沢くんが、慌てた様子で私の口を押えた。




「中山さん?中山さんが考えてるようなことはないから、妙なことハスに吹き込まないでもらえるかな?」


「え、まさか清いままなの?クリスマスもあったのに何してたのよ」


「ちょっと遠くのカフェにケーキ食べに行ったぐらいだよ」


「うん!あのケーキ美味しかったね!」




クリスマス価格でちょっと高級だったけど、見た目も可愛かったしすごく美味しかった。

ケーキの写真を見せて自慢すると、なっちゃんは憐れむような目で柳沢くんを見た。




「柳沢、ファイト」


「……」


「はあ。いいなぁ、あたしも清いままでも長続きする彼氏欲しいわー」