恨みを込めて柳沢くんを見れば、彼はまた一度軽くキスを落とした。




「ずっと我慢してたんだ。欲しかった言葉をもらえて、もう我慢なんてできないから」


「ぐぬ……」




まっすぐな言葉に顔は熱くなる一方。

そんな私は、あと一つ引っかかっていたことを恐る恐る聞いた。




「あの……私に『好き』って言われても、気持ち悪いと思わなかった?」




彼は好意を寄せられることを気持ち悪く感じると知っていたから、私は無意識に柳沢くんへの気持ちを認めまいとしていた。

だけどそれを聞いた柳沢くんは、「はぁ?」と不機嫌そうに眉を寄せた。




「これでも伝わってないわけ?俺にとってハスは本当に特別だって。好きだって言ってもらえて、喜び以外の感情が何も湧いかないんだけど」


「そっか……よかった……」


「絶対手放すつもりないから覚悟しておいてよ?」




私は無言でコクコクと何度もうなずく。

それを見た柳沢くんは満足そうに微笑んで、私のことを優しく抱き寄せた。