この周辺に限定して探してもダメだったかな。

そもそも、景色の良い高いところを探すっていうのから見当違いだった?


最後の場所にたどり着くも、私はすっかり自信を無くしていた。


最後の場所は、住宅地の長い坂と急な階段を上った先にある見晴らしの良い公園。



足を踏み入れた瞬間ざわっと風が吹いて、反射的に目を瞑る。

風がやみゆっくり目を開けると──


ブランコに座る、一人分の後ろ姿が見えた。


ずっと探していたんだ。いくら後ろ姿とはいえ、見間違えるはずがない。


私は呼吸を整えて、静かにその隣のブランコに腰を下ろした。




「ここにいたんだね、柳沢くん」




制服を着て、スクールバックを足元に放り出している。

いかにも学校帰りに寄ったかのように見えるけど、たぶん朝からずっとここにいるんだろう。


声を掛けられた柳沢くんは、びくりと肩を震わせた。




「……何でここに」


「探したんだよ」