彼の言う通りだ。

だけど……まさか、よりにもよって人殺しなんて……。




「葉澄どこ行くの?」




居ても立っても居られなくなって、教室を出ようとした私になっちゃんが言う。




「高森くんのところ!何か知ってるかも」


「この学校に柳沢と同じ中学出身なの高森甚しかいないから、同じこと思ってさっきから何人か7組まで行ってる。でもまだ来てないみたい。ていうかいつもは早くに来てるらしいから、今日休みなのかも」




そういえば昨日、うちに来た高森くんは結構な薄着だった。

しかも私、会話をお母さんに聞かれたくない一心で外に連れ出して、結構長いこと話込んでしまった。

あれ、もしかして風邪ひかせちゃったんじゃ……?



そんな後悔が私の頭をかすめている間に、予鈴が鳴った。




「まあ、柳沢もただ体調でも悪くなって出てっただけかもしれないしさ。何事もなく帰ってくるよ」


「うん……」