*
「葉澄!大変!」
久しぶりの教室に足を踏み入れると、黒板の周りに人だかりができていた。
テストの順位でも貼りだされたのかなぁ……と呑気に考えていた私の元に、その中にいたなっちゃんが慌てた様子でやってきた。
「おはよ~。あ、そういえばなっちゃん、彼氏さんの浮気現場は大事だけど高森くんに迷惑掛けるのはよくないよ!でもノートありがと……」
「それどころじゃないの!」
なっちゃんは私の手をつかんで黒板の方まで引っ張って行く。
私の顔を見たクラスメイトたちは、何も言わずにすっと道を空けた。
「何……これ……」
ようやく、なっちゃんが慌てていた意味がわかった。
黒板には、雑な真っ白の文字でこう書かれていた。
『柳沢奏多は人殺し』
私はとっさに黒板消しを手に取った。
だけど、いくらこすっても消える気配はない。
「だめみたい葉澄。それ、油性ペンか何かで書いてある」
「葉澄!大変!」
久しぶりの教室に足を踏み入れると、黒板の周りに人だかりができていた。
テストの順位でも貼りだされたのかなぁ……と呑気に考えていた私の元に、その中にいたなっちゃんが慌てた様子でやってきた。
「おはよ~。あ、そういえばなっちゃん、彼氏さんの浮気現場は大事だけど高森くんに迷惑掛けるのはよくないよ!でもノートありがと……」
「それどころじゃないの!」
なっちゃんは私の手をつかんで黒板の方まで引っ張って行く。
私の顔を見たクラスメイトたちは、何も言わずにすっと道を空けた。
「何……これ……」
ようやく、なっちゃんが慌てていた意味がわかった。
黒板には、雑な真っ白の文字でこう書かれていた。
『柳沢奏多は人殺し』
私はとっさに黒板消しを手に取った。
だけど、いくらこすっても消える気配はない。
「だめみたい葉澄。それ、油性ペンか何かで書いてある」