「あ、香田さん。お加減はいかがですか?これ、授業のノートやプリントだそうです」
「え⁉高森くん⁉何で⁇」
クラスも違えば家も近くないはずの高森くんが、ずいぶん居心地悪そうな顔で我が家の玄関に立っていた。
不思議に思うと同時に、来てくれたのが柳沢くんじゃなかったことに少し落胆している自分がいた。
「ええと、実は駅で中山奈緒子さんに会いまして」
「なっちゃんに?」
「香田さんの家にノートを持って行こうと電車を待ってたら、偶然彼氏の浮気現場を目撃して今から乗り込む。代わりに香田さんのお見舞いを頼む……と荷物と住所を書いたメモを押し付けられました」
なっちゃーーん!!!
あの恋に生きる女めーーー!
「ごめん……友達がご迷惑を……」
「いえ。奏多に頼もうかとも考えたのですが、時間的にもう帰った後だったので。……奏多じゃなくてがっかりしたでしょう?」
「え、そんなことは……」



