あれ、何でだろう。

言うつもりのなかったことが、どんどん溢れてくる。




「嫌だ。私に好きって言ったのは本当なの?もう何を信じていいのかわからないよ……」




私はダンっと机を叩きながら立ち上がった。

その瞬間。


景色が、ぐるりと回転した。

足に力が入らない。




「ハス!」




柳沢くんの焦ったような声。

ぐらりと倒れかけたところを受け止められる。




「待って、本当に熱あるじゃん」




柳沢くんのひやりとした手が私の額に触れた。




「熱……なんて出したことないし……」


「いや完全に熱いから。ていうか熱出したことないはさすがに嘘でしょ」


「大丈夫、大丈夫だよ」


「これでほっとけるわけないだろ。つべこべ言わずに保健室!ほら、辛いならもたれかかって良いから」




柳沢くんは私を支えながら教室を出る。


そっか、熱が出てぼんやりしてるから言うつもりのないことまで言っちゃってたのか。