何してるんだ私。
「ごめん」と呟いて、席を戻す。
柳沢くんはやり場を失った手を一瞬見つめて、静かに下ろした。
「……昨日、勉強付き合えなくてごめん。今日の放課後図書館に残ってく?」
「ううん、大丈夫。一人で何とかする」
「だけど」
「ねえ柳沢くん。昨日の用事って何?」
「……買い物」
柳沢くんは一瞬怯んだ顔をしてから答えた。
……嘘つかれた。
悲しくて、ズキズキと胸が痛む。
「……図書館近くのハンバーガー屋さん」
「え?」
「いたじゃん。茉莉花ちゃんと二人で」
「……何で知ってるの」
「私もあの店にいたから。茉莉花ちゃんに、私と別れてって言われてたでしょ?」
正直に答えたら、柳沢くんが息を飲んだ。
「……聞いてたの?」
「ちょっとだけ。ねえ、柳沢くんは本当に茉莉花ちゃんのことどう思ってるの?罪悪感って何?茉莉花ちゃんに逆らえないって言うなら、本当に言われた通り私と別れて茉莉花ちゃんと付き合うの?」
「ハス、落ち着いて」