「ふふ、だいぶ前のことなのにそんなに気を病んで、優しいね。昔からかなくんはそう。口は悪いけど優しいの」




……そんなこと、私も知ってる。




「わたしはそんなかなくんのことが、本当に本当に大好きだったんだよ」




……私だって、柳沢くんの優しさに助けられたときは嬉しかったもん。




「だから、わたしは今からかなくんの罪悪感と優しさに漬け込むようなこと言うね」




私はふにゃふにゃのポテトをくわえながら、息をとめて続く茉莉花ちゃんの言葉を待つ。

ポテト、好きなのに今日は全然味がわかんないや。




「かなくん、葉澄ちゃんと別れて。それでわたしの恋を、成就させてよ」




ああ、やっぱり。

どこかでそんな予感はしてた。

茉莉花ちゃんは、柳沢くんに未練があるんだ。

だから昨日、私たちの仲を壊すため、柳沢くんへ不信感を持たせるようなこと言ったんだね。


……柳沢くんは、何て言うんだろう。

断る、よね?