恐らく“デリケートなこと”に当たる箇所がそのまますっ飛ばされてわからない部分が多かったけれど、私はとりあえず納得した風にうなずいた。
そういえば柳沢くんも『小学校と、あと中学校も少しの間同じだった』って言ってたっけ。少しの間っていうのはそういう意味だったんだ。
「これ以上のことは奏多か外村さんかに聞いてください。……もっとも、話してくれるかは別ですが」
「うん、わかった。ありがとう高森くん」
私がお礼を言うと、高森くんは任務を無事達成したというように緊張した表情を緩めた。
それから思い出したように言う。
「そういえば言い忘れていました香田さん。文化祭のときのコスプレ、よく似合ってましたね。話しかけるタイミングがありませんでしたが、何度か見かけましたよ」
「え⁉あ、あはは、ありがとう」
柳沢くんにより選ばれた空手家コスプレ。
そっか、結構長い時間あの格好だったし、高森くんに見られてたって不思議じゃないよね。



