カップルとしては一緒に行動するのが正解だろうけど!
どうしても本屋さんで、できればこっそり買いたい物があった。
柳沢くんが「わかった」と言って店を出たのを確認して、私はあのコーナーへ行く。
そう……
少女漫画コーナー!!
なっちゃんに貸してもらって以来、すっかりハマってしまった。
勉強ができないから参考書選びに付き合ってもらったのに、その柳沢くんの前ではとても買えない。だけどせっかく本屋さんに来たから行きたかったんだ。
貸してもらったやつは面白かったから、同じ作者さんのを選べば間違いないかもだけど……肝心の作者名覚えてないなぁ。
試し読みできるやつもあるからそれ見て探そうかな。
そんな調子で、参考書を選んだときの百倍は真剣に少女漫画を吟味して、一番絵柄が好みだった学園ものを二巻分購入した。
ほくほくした気分で紙袋を鞄に入れたその時だった。
「あ、あの!」



